終活ノート

終活とは?終活を分かりすく徹底解説

終活という言葉に皆さんはどのようなイメージを持っているでしょうか?

大概の方達は『終活は高齢者の為の活動』、『団塊世代から始める活動』『死ぬことに対する活動なんて縁起でもない・・・』などというイメージではないでしょうか。

実際に終活に対する印象は年齢の縛りや暗い雰囲気が先行しているのが現状です。

ですが、本当の終活の意味とは『自身の人生を振り返り、人生の終わりに向けての活動』を指します。

終活におけるメリット、デメリットの回避方法を含めてこのサイトでは誰にでも分かりやすく終活を解説し、実用的で実践できる終活をご紹介していきます。

終活のメリット、デメリットとは

○メリット
  • 自分の人生を振り返り後悔しない最期を迎えることができる
  • 残された家族への負担を減らすことができる
  • セカンドライフを充実させ残された人生を楽しく過ごすことができる
×デメリット
  • 一人では終活は難しいため協力者が必要になる
  • 悪徳商法や詐欺の被害にあう可能性がある
  • 順番を間違え曖昧に終活を進めると親族間のトラブルに発展する

メリット、デメリット

終活とひとことで表現しても、やっておいたほうが良い事、必ずやるべき事など終活の項目は様々です。

さらに、それぞれ一人ひとりに合った終活というものがあり、人それぞれ終活の優先順位も変わってきます。

では、どのようにして失敗しない終活をスタートするのか詳しく見ていきましょう。

終活の意義を考え有意義な終活をスタートする

特に終活という言葉が、世間に出始めたのは2009年終活の記事が掲載された週刊誌発売です。

その後も2007年公開の洋画『最高の人生の見つけ方』、2016年公開の邦画『ボクの妻と結婚してください。』がヒットし、ここ10年ほどで終活を意識した書籍や映画、ドラマが徐々に増え、終活という言葉が広く浸透しました。

さらに終活が身近になったのは、エンディングノートの登場です。

そしてエンディングノートはまさに終活のとって画期的な登場でした。

エンディングノートは自分自身のためだけではなく、残された家族にもとても大切な記録になります。

しかし、エンディングノートに対して否定的な考えをお持ちの方もいます。

特に家族がいる方は、家族の方が終活を嫌がる傾向があり、終活を辞めてほしいと家族が反対することもあります。

なぜなら『人生の終わりに向けての活動』、『死ぬ準備』と改めて終活の意味を文字にすると、寂しいような悲しいような、縁起が悪いような感覚になるからです。

終活の暗いイメージを払拭して前向きに考える

終活をスタートさせることに年齢は関係ありません。終活とは誰にでも必ず訪れる死に対して、どのように活動していくかということなのです。

死ぬ準備というくらい言葉の中に『美しい、楽しい、後悔しない』などのポジティブな言葉が入るとどうでしょうか。

人生を振り返りながら終活をすることで今まで見えなかった一面が見え、諦めてきたことに再度チャレンジする気持ちが出てくる。

人生100年時代と言われている今、セカンドライフの方が時間を持て余している状況ではありませんか?

終活を前向きに捉えることで、まさに終活の意味が『人生の終わりに向けての活動、死ぬ準備』ではなく有終の美を飾る、そして楽しく後悔しない人生に変わっていくのです。

終活は人生の終わりのためだけではなく、現在の生活であるセカンドライフを充実させるための活動でもあります。

ただ同じ毎日をなんとなく過ごすのはなんだかもったいないと思いませんか。

終活でも悩みの多くに上がるおひとり様の最期と後継者問題

ところで終活の中でも悩みの多くに上がるのは何だと思いますか?

それはおひとり様の最期、家族がいる方は後継者の問題です。

現在は昭和以前の時代とは違い、核家族化が進み3世代で暮らし墓地やお墓、仏壇を守っていくという事も少なくなっています。

親戚付き合いも箕臼になり、顔を合わせるのはそれこそ冠婚葬祭だけ。という方もたくさんいますし、最近ですとそもそも叔父叔母、いとこなど会ったことが無いという方もいます。

親戚として血縁関係があっても、親戚付き合いがなければ当人同士の感覚は他人も同然です。

いざ最期を迎えたとき、親戚だけど他人のようなそんな関係者同士がスムーズに物事を決めていくのはとても難しいことです。

このような親族間トラブルを回避するためにも終活はとても重要な役割を果たします。

実用的なエンディングノートの活用法とは

終活は団塊世代が行うものと思われがちですが、終活に年齢は関係ありません。

今現在の健康に関する不安や家族への思い、シングルで迎える最期があったとしたらその最期に対しての心境、そして死そのものに対してどのように思っているのかを思った通りに書き込めるのがエンディングノートの良さです。

遺言書は簡単に訂正できませんが、エンディングノートはいつでも訂正可能です。

今日考えていたことが明日には変わることだってあります。

まずは自身の歴史である自分史と現在の心境をエンディングノートに書き込むことから始めましょう。

エンディングノートは生年月日から学歴・経歴・趣味などまるで就職活動の履歴書のようですが、そこから先は終活ならではの項目が並びます。

CHEACK!
不動産(何件所有していて、相続はどのようにするのか)
証券、外貨 (何銘柄ありどこの証券や外貨を所有しているのか)
銀行口座(銀行口座凍結のため、どこの銀行に口座があるのか)
携帯解約 (料金の請求やデータの処理方法)
クレジットカード(支払いや請求、登録枚数)
生命保険(受取人などの確認)
住宅、ペット事情(残された家やペットはどうするのか)

この様に今まさに生活していることの全てをどうしていくのか、どうしていかなければいけないのかを考えエンディングノートに書き込み、いざという時に伝えたい相手にいつでも見てもらえるように準備をしなければいけません。

エンディングノートは残される家族などへのメッセージためでもありますが、一度自分の生活環境や状況をゆっくりと考える良い機会にもなります。

もちろん誰かに見せる為ではなく自身を振り返ったり、万が一独り身になったり、認知症になって誰かにお世話をしてもらう時に、エンディングノートを見れば解決できる記録用終活ノートとしても活用できます。

充実した人生、やりがいを見つける

現役時代や子育て期には忙しくて挑戦できなかったことや、習いごとといった趣味趣向の『これからやりたいことリスト』を思いつく限りエンディングノートに、書き込んでみてください。

やりたいことリスト1つずつ消化していくのも、セカンドライフ人生に張り合いが出る良いきっかけにもなります。

ここ数年でエングノートセミナーが葬儀社や地域自治体で開催されており、無料で配布されエンディングノートの書き方講座も兼ねていることもありますので、まずは終活セミナーなどに足を運んでみてはいかがでしょうか。

今すぐスタートできる終活!生前整理とは

自身で今からすぐにでもできる終活は、身辺整理つまり生前整理をすることです。

少しずつ身の回りを整理していくことで、いざという時に家族に遺品整理の負担を減らすことができます。

加えて、残された家族は故人の愛用品、思い出の品を手放すことができない傾向がありますので、いつまでも家や思い出の品を片付けることができない。

またはシングル生活で最期を迎えた方の遺品整理問題。

今では社会問題となっている孤独死や空き家放置や不動産の相続問題などに発展していくこともあります。

生前整理は必ず1人でする必要はありません。家族と生前整理をしながら思い出話をし、形見分けができる物があれば、生前に形見分けとして手渡して、大事に使ってもらうという方法もあります。

万が一予期せぬ出来事で死んでしまったらその先家族はどうなっていくのか?

子供たちが親戚付き合いを継続していけるか?
子供だけではなく、孫にまで迷惑がかかるのでは?
残された家族に迷惑はかけたくない

皆さんこの様なことを一度は思ったことがあるのではないでしょうか?

終活の中で人生を振り返っていくときにきっと後悔した思い出や、忘れられない悔しさがあると思います。

だからこそ、終活を通して人生を振り返った時、自身が失敗したこと、素晴らしかった経験を子供や孫、誰でも良いので伝えてください。

生前整理は財産や物の整理がすべてではありません。

家族と過ごす時間を増やしたり、話をする機会を設けたり、誰かに自身の出来事や心情を聞いてもらうことで『自分史』を引き継いでもらい、人生の糧にしてもらうことも生前整理の一面なのです。

シングル者、おひとり様の生前整理

シングルの方や身内がいない方、終活で何をしたらいいのか全く分からない方も終活サポートや終活カウンセラーなど受け、今ある財産や家の処分をどうするか方向性を終活アドバイザーに相談することをお勧めします。

独りで最期を迎えることになるのでは?という不安がいつも頭の隅にモヤモヤとしていませんか?相談をするのは他人でも問題はありません。

現在の状況を相談しモヤモヤした気持ちを打ち明けて、頭の整理をすることも終活の1つです。物を処分するだけが生前整理ではありません。

この先、シングルで生活していく方は民生委員に相談、介護施設の入所を検討している方などはケアマネージャーなどに、今後の生前整理をどのようにしていくべきかを一緒に考えるお手伝いしてもらうのも良いでしょう。

自身が元気で動けるうちに生前整理の業者に委託するという方法もあります。

周囲の助けを借りることで『一人では終活はできない』というデメリットを解決することができます。

終活における葬儀の事前準備の大切さとは

葬儀は突然に、そして思いがけないスピードで進んでいきます。

病気で療養、入院していたり介護を受けていたりと、亡くなってしまう時の心の準備ができていたとしても、そこから先の葬儀までのスピードに付いていくことはとても大変です。

自宅で亡くなった場合は警察を呼び、病院で亡くなった場合は手続き後すぐに病院から出ることになります。

葬儀社を決めて連絡をし、葬儀社や親族などと話を同時進行しながら死亡診断書を役所に提出してからやっと、金額や祭壇など葬儀に関して本格的な話し合いがスタートします。

火葬までの日数にもよりますが、臨終から平均3~4日の間でお葬式の全日程が終了します。

お通夜や葬儀が始まるまでに準備が1日しかないケースもあります。

その短い時間で親戚や宗教者への連絡、供花やお布施にかかる先払いが必要なお金の用意など、やることはたくさんあります。

もちろん葬儀社もサポートをしてくれますが、宗教者への確認、家族、親戚間、お金のことは自分達で決めなければいけません。

このように、突然やってくる葬儀には終活での事前準備や心構えがとても重要になります。

葬儀は費用も多くかかるので、どのような葬儀で金額どのくらいの予算があるのか。

葬儀を執り行う宗教者は誰で、親族はどこまで連絡するのか。

葬儀費用はどのように残してあるのかなどを記録しておきましょう。

終活で伝えたい宗教、そして仏壇と位牌の行方

昔から日本では宗教=仏教(お寺)や神道(神社)が多く、お世話になっている寺院も決まっていて特に深く考えることもなく、自然と家にある仏壇を引き継ぎ守っていくというのが当たり前でした。

ですが、現在はどこの寺院にも宗教にも属さない、無宗教とうい実態も増えており自宅に仏壇がない家もとても多くなっています。

もちろん仏教や神道だけではなく宗教は様々なジャンルがあります。

仏教でも宗派がたくさんあり同じ仏教宗派でも地域によって信仰の形は様々ですしまた神道でも多数の分類に分かれています。

仏教、神道とひとくくりにされますが、宗派によっては用意する仏壇、位牌、仏具が違うなど仏教。神道のすべてが全く同じではありません。

さらに日本は宗教信仰が自由な国なので、終活している本人と家族の信仰している宗教が違うことによって発生するトラブルもあります。

先祖代々守ってきた仏壇を後世に継ぎたいと思っていても、後継者がいない、または後継者が仏壇を守っていくことを拒否する場合もあります。

その場合は供養をして処分をするかほかの親族に任せるのかなど選択肢がいくつかありますので、自身の仏壇、位牌に関する思いは現在どういった心境なのか。ということを事前に考えておく必要があります。

終活で生前から準備できる墓地とお墓とは

お墓や墓地の問題としては、先祖代々のお墓がある場合、そのお墓をだれが継ぎ守っていくかというケースと、初めてお墓を建てる(建墓)する場合の2つのケースがあります。

先祖代々のお墓を守っていくのであれば、その後継者を決めておくこと、または後継者がいなければ仏壇と同様に供養をして墓じまいをする必要がありますので、お墓をどうしていくのか生前に決めておくことで、その後のトラブルを回避することができます。

初めて建墓する場合は、どういった種類のお墓を希望するのか、墓地はどこがいいのか予算はどの程度あるのかといった情報が必要になります。

初めて建墓する方は霊園の見学イベントもありますし、墓地の生前予約も可能です。

生前建墓は『寿陵』といい、昔から子孫繁栄や長寿の縁起事とされています。

さらに、生前建墓は非課税相続財産になるので、相続税においても注目すべき点です。

もし建墓の生前予約をするならば、きちんと家族などに伝え理解をしておいてもらうことが重要です。

お墓参りに来てくれる人の距離の都合もありますし、建墓にあたって寺院の檀家になる必要があるケースもありますので、十分に注意が必要です。

お墓を守っていく後継者がいない場合でも、合祀墓といってお墓を持たないという選択肢もあります。

終活では自身の生活環境に合った墓地、お墓の目星をつけることも重要です。

終活で充実したセカンドライフ満喫するには

前述したとおり、終活とは充実したセカンドライフを送るための活動でもあります。

終活そのものをもっとよく知るために、葬儀イベントや終活フェアに参加したり終活アドバイザーに相談をすることも、活発的なセカンドライフと言えます。

ベストショットの遺影を残すため、写真館で遺影を撮影するという終活もありますし棺に入るときに飾る、プリザープドフラワーのアレンジ教室に通うなど、このように終活を通して、終活=趣味でセカンドライフを謳歌しているのです。

また、離別や死別のシングル者、おひとり様のための終活イベントも多く開催されています。

いわゆる街コンですが、最期を一緒に過ごす人を見つける為の、シングル終活合コンです。ホテルでの食事会、観光ツアー、お寺での終活合コン開催もあります。

最期におひとりさまは寂しい、もっと人生に張り合いを持ちたいと参加人数は年々増加しています。

この終活ブームには楽しい表面もあれば恐い裏面もあります。

有終の美を飾るため終活に力を注ぐ方がリゾート型老人施設の出資詐欺にあうニュース、映画やドラマにもなりましたが、おひとり様の終活を逆手にとった『後妻業』という言葉もあります。

それほど、終活がごく身近で当たり前のものになったということです。

終活デメリットである、終活を逆手に取った詐欺には引っかからないように十分注意してセカンドライフを満喫しましょう。

終活重要ポイント!遺産相続のトラブルを回避するには

相続は現金に限らず、不動産や株、美術品などすべて物が対象となり、相続する金額によって相続税が発生します。

遺言書があれば、遺言書が優先され相続は遺言書に沿って進んでいき、遺言書がない場合は法定相続人(相続第1~3順位)が相続することになります。

遺産相続のスタートは相続者が亡くなった時点からになります。遺産相続を始めるにあたって必要な提出物もありません。

ですから、相続者が亡くなっているという事実を法定相続人が知っているかどうかは関係なく、法定相続人であれば、遺産を相続することができます。

遺産相続はこの法定相続人全員で遺産の分割協議をして遺産の配分を決定します。

しかし、手続きを進めていく中で法定相続人に連絡がつかない、法定相続人が相続放棄を申し出てくる、法定相続人の中で遺産分割について合意をしない人がいることもあります。

遺産分割協議が決裂した場合は、家庭裁判所にて調停へと発展します。

調停に発展してしまうかどうかまでは、ケースバイケースですが全国のどこかにいる法定相続人全員の、書類を集めるのは本当に大変な作業です。

一番驚くケースは故人の出生地が思っていた場所、聞いていた場所と違っていた。

ということもあります。このように様々なトラブルにより必ずしもスマートに遺産分割協議が決定するとも限りません。

そして何よりも、遺産相続に関する法定相続人の全員分の書類を日常生活の中で集めることは本当に大変な作業です。

終活デメリットである親族とのトラブル回避の為にも、遺産相続に関してはプロに任せるのが一番です。

司法書士や弁護士に依頼をすると全て一括で手続きをしてくれます。

遺産相続専門で無料相談をしている事務所もありますので、終活では司法書士事務所や弁護士事務所にあらかじめ相談し、生前に整理できる財産は先にまとめておくと良いでしょう。