「終活」に興味があるけれど、20代ではまだ早いかな?・・・そんな風に考えている方もいるのではないでしょうか?

ですが、最近は、20代から終活に取り組んでいる方も珍しくありません。

20代の終活には、さまざまなメリットがあります。たとえば、終活をとおして自分を見つめ直すことで、今後の目標や人生設計を考えるきっかけとなり、より理想的な未来に向かって進むことができます。

終活はいつでも好きなときに始められるので、年齢に関係なく、自分が終活に興味を持ったタイミングで取り組んでみましょう!

ここでは20代の終活について、意義やメリット、タイミング、やるべきことなどを解説します。

終活は20代でもOK!将来のために今からできること

「終活は高齢者がおこなうもの」というイメージを持たれている方もいますが、実際には、20代や30代の若い頃から終活を始めている方も少なくありません。

終活は「自分の最期(終焉・死)を迎えるための準備活動」になりますので、「20代からの終活は早すぎるかな?」と思われる方もいます。

ですが、人の寿命には個人差があり、怪我や病気、事故、自然災害などによって、若い方でも早くして亡くなってしまうことがあります。

そのため、20代から終活を始めるのは早すぎる、ということは決してありません。

また、20代の若い頃から終活を取り組むことによって得られるメリットもあります。

20代の終活は、今後の人生をより豊かにするためのポジティブな活動として、前向きにとらえましょう。

ここでは最初に、20代の終活について意味やメリットを解説します。

終活を20代でする意味とメリットは?自分と家族のために役立つ活動

終活は高齢者がおこなうもので若者には必要ないのでは?・・・と考える方もいますが、健康な20代の方でも、突然の怪我や病気、事故、自然災害などによって、若くして亡くなってしまうことがあります。

そのため、万が一にそなえて、20代から終活を始めることは、決して早すぎるということはありません。

また、20代から終活に取り組むことで、将来の不安を減らすだけでなく、今後の人生をより豊かなものにすることができます。

終活をとおして自分の人生を振り返り、やり残したこと、今後やりたいことなどが見つかると、目標が定まって人生設計を立てやすくなります。

目標や人生設計がない状況よりも、理想の未来を具体的に描ける状況のほうが、夢の実現に向けて、よりポジティブに暮らすことができますよね。

また、万が一自分に何かあったとき、終活をしていれば、残された家族の負担を減らすこともできます。

たとえば、終活の一環として「生前整理(断捨離)」をしたり、「エンディングノート」を作成したりすると、何かあったときに、家族の負担を減らすことができます。

このように、終活は自分だけでなく、家族のためにも役立つ有意義な活動になります。

より良い人生を送るためにも、家族の負担を減らすためにも、20代から終活を始めてみましょう。

終活を20代で始める前に再チェック!そもそも「終活」とは?

20代から終活を始める前に、終活の基本的なことを確認しておきましょう。

終活の基礎知識を知ることで、よりスムーズに終活を始めることができます。

ここでは、終活の特徴と基礎知識を解説します。

終活の特徴と基礎知識!生前から準備して将来の不安をとりのぞく

終活とは「自分の最期を迎えるための準備活動」になります。

自分の老後や死後について考え、生前(生きている間)から準備しておくことが終活になります。

「終活」という言葉(造語)は2009年に誕生し、テレビや雑誌、書籍などさまざまなメディアによって紹介されて話題を集めました。

そして、2012年には「終活」が流行語トップ10に選出され、私たちの身近にある言葉の1つとして、現在でも世間に広く認知されています。

近年は「終活」という言葉が広まるにつれて、実際に、終活に取り組む方も増えてきました。現在は、65歳以上の高齢者だけでなく、20代・30代・40代・50代の方でも終活を始める方が増えています。

一昔前は「死」について考えることは不吉とされ、タブーとされることもありましたが、近年は終活の広まりとともに、「老後」や「死後」について積極的に話し合ったり、質問・相談したりすることも一般的になりました。

「死」に関すること・・・というと、暗いイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、終活には、自分の人生を見つめ直して人生設計に役立てる!というポジティブな面もあります。

また、終活の内容はさまざまであり、「エンディングノートの作成、生前整理、財産整理、介護・医療の希望、お葬式・お墓の希望、家族へのメッセージ、自分史の作成」・・・など、自分に必要な活動だけを選ぶことができます。

終活のやり方に特別なルールはありませんので、20代のあなたが必要とすることから、自分のペースで終活に取り組んでみましょう。

20代で終活は早すぎる?終活のベストタイミングについて

20代から終活なんて、早すぎるのでは?・・・と思う方もいるかもしれませんが、終活は早く始めるほどメリットがありますので、20代から終活に取り組むことについては何も問題ありません。

終活に興味はあるけれど、年齢的に躊躇してしまうという方は、終活のベストタイミングについて確認しましょう。

ここでは、終活の理想的なタイミングについて解説します。

終活は20代からでもOK!自分の都合にあわせて早めにスタート

終活の理由やきっかけは人それぞれであり、終活を始めるタイミングも個人によって異なります。

終活のスタート時期は法律などで特に決まっていませんので、自分の都合にあわせて、いつでも終活を始めることができます。

ただし、終活は遅く始めるよりも、早めに始めるほうがよいとされています。

一般的に20代の方は心身ともに健康であることが多く、気力・体力の面において、終活に取り組みやすい年齢といえます。

また、高齢になって判断力が鈍ったり、体力が衰えたりしてから終活を始めるよりも、気力・体力が十分に備わっている20代から終活に取り組むほうが有利になります。

そして、20代の終活には、老後や死後の準備だけでなく、終活をとおして早めに人生設計ができるという大きなメリットもあります。

30代や40代になってから「20代のときに、アレをやっておけばよかった・・・」というような後悔をしないためにも、なるべく早い時期に終活を始めましょう。

20代の終活は親世代のことも一緒に考えると◎

20代から終活を始めることで、親世代の終活についても考えることができます。

親と離れて暮らしている場合、親と同居している場合、どちらにしても家族である以上、親の老後・最期については考えなければなりません。

自分の終活をきかっけに、親御さんの終活についても検討してみましょう。

ここでは、20代の終活とその親世代の終活について解説します。

20代の終活をきっかけに!親子で将来のことを話し合うチャンス

子どもが20代になり、社会人として独立することをきっかけに、親世代の中には終活を始める方もいます。

40代・50代・60代の親世代が積極的に終活を始めて、自身の老後や最期について準備してくれたら子どもは安心ですよね。

ですが、自身の老後や最期は遠い先のことだと考えて、終活を始められない方も多くいます。

そんなときは、20代のあなたが終活するタイミングで、親御さんの終活も一緒に始めてみてはいかがでしょうか?

親子で将来について話し合ったり、部屋を片付けて不要なものを処分したり、写真やメールを思い出として残したりすることも、終活の一環になります。まずは、取り組みやすいことから、親子で終活を始めてみましょう。

終活に乗り気ではない親御さんには、終活のメリットを伝えたり、実際に終活をしている芸能人(いとうあさこさん、泉ピン子さん、中尾彬さん等)を教えたりするなどして、終活に興味を持ってもらえるように工夫してみましょう。

または、終活という言葉を隠して、親御さんの老後・最期について、それとなく話し合う方法もおすすめです。

20代の終活は、自分だけでなく、親世代のことも考えるきっかけになります。

自分の終活とともに、親御さんの終活もできたら安心ですね。

終活20代でやるべきこと!若者におすすめの終活内容

20代から終活を始めるときに、何から手をつければよいのかわからない・・・という方もいます。

終活の内容はさまざまであり、必要なことは個人によって異なります。

20代の終活でやるべきことがわからないときは、おすすめの終活内容を参考にしましょう。

20代におすすめの終活は、以下のとおりです。

1. エンディングノート作成
2. 生前整理
3. 財産整理
4. 重要書類の保管
5. 介護・医療について考える
6. 葬儀・お墓について考える

ここでは、20代におすすめの終活内容を解説します。

≪20代の終活ですること1≫エンディングノートの作成

エンディングノートとは「自分の希望を伝えるためのノート」です。

介護・医療、葬儀・お墓、遺品・遺産、家族へのメッセージ、ペットの行く末など、自分の気持ちや意思を伝えたいときは、エンディングノートにその旨を記載しておきましょう。

20代の方でも、病気や事故などによって、突然動けなくなったり、話せなくなったりすることがあります。そして、自分に何かあったときは、家族がさまざまなことを決断する必要に迫られます。

エンディングノートを作成すれば、自分の希望を伝えることができるだけでなく、多くのことを判断しなければならない家族の負担を減らすこともできます。

終活の一環としてエンディングノートを書いている方は大勢いますので、20代から終活を始める方も、まずはエンディングノートの作成から始めてみてはいかがでしょうか?

エンディングノートの特徴と書き方!必要項目をチェック

エンディングノートは、自分の好きなことを自由に書くことができます。

エンディングノートには「遺言書」のような法的効力はありませんが、定められた形式がなく、気軽に書けるというメリットがあります。

エンディングノートは普通のノートを利用して自作できますが、本屋や文具店ではエンディングノート専用ノートが販売されています。

エンディングノートにどんなことを書けばよいのかわからない・・・という方は、市販のエンディングノートを検討しましょう。

また、一部の自治体や葬儀社などでは、エンディングノートを無料配布しているところもあります。

とりあえず、お試しでエンディングノートを書いてみたいという方は、無料で入手できるエンディングノートの活用もおすすめです。

エンディングノートを用意したあとは、必要な内容をエンディングノートに書いていきましょう。

エンディングノートは自由に書けますが、自分の思いを家族に正しく伝えるためにも、必要な内容を記載しておくことが大切になります。

たとえば、20代でエンディングノートを作成する場合、以下のような項目を記載しましょう。

【自分自身のこと】:氏名、生年月日、本籍、家族構成、趣味、特技など
【個人情報のこと】:SNSなど利用中の登録サービス、退会の希望についてなど
【財産・保険のこと】:銀行名、銀行口座、保険会社、保険の種類・内容など
【遺品のこと】:処分や形見分けなどについて
【介護・医療のこと】:介護の内容や延命治療、臓器提供などについて
【葬儀・お墓のこと】:葬儀の有無や内容・規模、納骨方法などについて
【各種連絡先】:友人・知人・会社関係などの氏名・連絡先・連絡の必要性など
【家族へのメッセージ】:お礼や感謝の気持ち、お願いなど
【ペットのこと】:かかりつけの病院、ペットの名前・年齢・種類など
【自分史】:幼少時の思い出や人生の出来事など

エンディングノートを作成するときは、自分の書きやすい項目から記載していくことが挫折しないポイントになります。

また、盗難や紛失をする可能性も考えて、暗証番号やパスワードなど重要な情報はエンディングノートに書かないように注意しましょう。

エンディングノートはその都度見直し、最新情報にあわせて、必要があれば変更・修正することも大切です。

そして、自分に何かあったときに、エンディングノートが発見されないという事態を防ぐためにも、エンディングノートの存在と保管場所を家族に知らせておきましょう。

≪20代の終活ですること2≫生前整理(身辺整理・断捨離)

生前整理とは「生きている間に、身の回りを整理すること」です。

家の中にあるものを仕分けして整理・処分し、不要なものは溜め込まないという「断捨離」が生前整理の基本になります。

まずは部屋を片付けて「必要なもの・不要なもの」を区別し、いらないものは譲ったり、売却したり、処分したりするなどして生活空間をスッキリさせましょう。

自分一人だけでは片付けが進まないときは、家族や友人、専門業者に手伝ってもらうこともおすすめです。

また、生前整理では、品物だけでなく、デジタルデータも対象になります。

スマートフォンやパソコンの中身を整理して、不要なデータや見られたくないデータは削除しておきましょう。

万が一にそなえて、デジタルデータの処分を家族や知人に依頼したり、「死亡時自動削除ソフト」の導入を検討したりすることもおすすめです。

一般的に、年齢を重ねるほど物が溜まりやすくなります。

20代のうちから生前整理を始めて、心身・生活ともにスッキリとした暮らしを心がけましょう。

≪20代の終活ですること3≫財産整理(お金の整理)

自分に何かあったとき、家族が困らないように、財産整理をしておきましょう。

財産整理をすることで、自分の資産が把握しやすくなり、将来的なお金の計画も立てやすくなります。

複数ある銀行口座を1つにまとめたり、使用頻度の低いカードは解約したりするなどして、自分の資産やお金の流れがわかりやすいように整理しましょう。

また、財産整理をおこなうときに「財産目録」を作成すると、その後の財産管理がスムーズになります。

「財産目録」はインターネットからテンプレート(ひな形)を入手できますので、財産整理とともに「財産目録」も作成してみましょう。

≪20代の終活ですること4≫重要書類の保管

銀行カード、保険証券、不動産、権利書、各種契約書などの重要書類は、まとめて保管しておきましょう。

重要書類をまとめて保管することで、自分に何かあったとき、必要な手続きを家族がスムーズにおこなうことができます。

大切な書類はまとめて保管し、不要な書類は個人情報が漏れないようにシュレッダーにかけて処分しましょう。

そして、重要書類の保管場所は、事前に家族に伝えておきましょう。

≪20代の終活ですること5≫介護・医療について考える

20代の方にとって、自分の介護や医療についてはまだ遠い先のことだと感じる方もいるかもしれませんが、人間の寿命には個人差があります。

また、死にはつながらなくても、怪我や病気、事故などによって、突然体が動かなくなったり、意思疎通ができなくなったりする可能性もあります。

万が一の事態にそなえて、介護や医療について準備しておきましょう。

どのような介護を受けたいのか、終末期医療・延命治療はどこまで希望するのか、臓器提供の意思はあるのかなど、自分が元気なうちに決めておくことが大切になります。

家族が決断しにくい状況になっても、介護や医療について、事前に自分の希望を伝えてあると安心です。

家族と話し合ったり、エンディングノートに書いたりするなどして、介護や医療について自分の希望を伝えましょう。

≪20代の終活ですること6≫葬儀・お墓について考える

20代のときに自分の葬儀について考える方は少ないと思いますが、親世代のこともふまえて、お葬式やお墓の種類・費用などを今からチェックしておきましょう。

現代は多様化が進み、お葬式やお墓もさまざまな種類があります。

たとえば、葬儀の場合、「一般葬、家族葬・密葬、一日葬、直葬(火葬式)、お別れ会・自由葬、生前葬」などがあります。

また、遺骨については、納骨場所(霊園、墓地)や納骨方法(埋葬、樹木葬、海洋葬、宇宙葬など)を選ぶことができます。

20代の終活では、自分だけでなく、親御さんのことも考えて、葬儀やお墓について情報を集めてみましょう。

また、もしものときにそなえて、自分の「遺影」を選んでおくことも、手軽にできる終活の一環になります。

終活は20代にもメリット大!将来のために行動しましょう

この記事では、20代の終活について解説しました。いかがでしたでしょうか?

終活には、老後や死後の準備だけでなく、自分の人生を見つめ直して将来に活かすというメリットもあります。そのため、より素晴らしい未来を実現するためにも、20代の終活が早すぎるということはありません。

また、怪我や病気、事故、自然災害などは、年齢に関係なく、どんな人にも起こる可能性があります。

どんな状況になっても対応できるように、20代から終活を始めてみましょう。

そして、自身の終活をとおして、家族の将来も一緒に考えることができたら素敵ですね。