「終活」に興味があるけれど、30代では早すぎる?・・・そんな風に感じている方もいるのではないでしょうか?
ですが、自分や家族のために終活を始めている30代の方は、たくさんいます。
人間の寿命には個人差があり、いつ亡くなるかは誰にもわかりません。万が一にそなえて、30代から終活に取り組むことは、決して早すぎることではありません。
また、30代の終活には、自分の老後や最期の準備だけでなく、今までの人生を見つめ直して人生設計に役立てるという大きなメリットもあります。
30代で終活に興味のある方は、自信を持って行動しましょう!
ここでは30代の終活について、終活の意義とメリット、やるべきこと、注意点などを解説します。
目次
終活で30代は早すぎる?将来のためにできること
30代は現役世代であり、働き盛りの年頃です。また、仕事だけでなく、結婚や育児などによってライフスタイルが変化しやすい世代でもあります。
独身の人、結婚している人、仕事に熱中している人など、30代にはさまざまな環境の方がいます。
そして、自分や家族のために、30代から「終活」に取り組んでいる方も少なくありません。
30代で終活を始めるのは、早すぎるのでは?・・・と思う方もいるかもしれませんが、人間の寿命には個人差があり、いつ亡くなるかは誰にもわかりません。
将来の不安を解消するためにも、終活に興味を持ち始めた今30代から、終活に取り組んでみましょう。
ここでは初めに、終活する30代の特徴について解説します。
終活を30代で始める意味とメリット!人生100年時代に向けて
近年は人間の長寿化が進み、「人生100年時代」といわれています。
日本人の平均寿命は、男性が81.25年、女性が87.32年となっており、さらに毎年少しずつ平均寿命が延びています。(※厚生労働省「平成30年簡易生命表」より)
日本人の平均寿命を考えたとき、30代という年齢は、まだ人生の折り返し地点に到達していません。そのため、30代の方にとって、自分の老後や最期は遠い先のことのように思われるでしょう。
ですが、人生は何が起こるかわかりません。30代の方でも、がん(悪性腫瘍)などの病気、怪我、事故、自然災害によって若くして亡くなることがあります。
万が一にそなえて、30代から終活を始めることは、決して早すぎることではありません。
自分に何かあったとき、残された家族の不安・負担を減らすためにも、30代の今から終活に取り組んでみましょう。
終活する30代は親のことも考えると安心!親子で一緒に終活
30代の終活は、親世代のことを考えるきっかけにもなります。
自分の終活をとおして、親御さんの将来についても考えてみましょう。できれば、親子で一緒に終活を始めることが理想的です。
50代・60代・70代という親世代では、終活している方もたくさんいますが、きっかけがなくて、高齢になっても終活を始められない方がいます。
30代で終活する方は、家族の不安を解消するためにも、親御さんの終活について一緒に取り組んでみましょう。
将来について親子で話し合う、一緒の写真やメールを思い出として残しておく、お互いにエンディングノートを書く・・・など、親子で簡単にできる終活はたくさんあります。
30代の終活をきっかけに、親御さんの老後・最期についても考えてみましょう。
終活を30代から始める前に。終活の意味と役割をおさらい
そもそも「終活」とはなんだろう?・・・という方もいると思います。
30代から終活を始める前に、終活の意義やメリット、始めるタイミングといった終活の基本について確認しましょう。
終活について詳しくなれば、より前向きに、終活を始めることができます。
ここでは、終活の意味や基礎知識を解説します。
30代にとっての終活とは?自分と家族のために将来の不安を解消
終活とは「自分の理想とする老後・最期を迎えるための準備活動」になります。
どのような老後を過ごしたいか、どのような最期を迎えたいか・・・ということを考えて、将来のために準備することが終活になります。
一般的に、終活では介護や医療、お葬式やお墓、遺品や財産などについて準備します。たとえば、エンディングノートを作成したり、生前整理をしたり、財産整理をしたりするなどして、将来にそなえます。
終活の内容は多岐にわたりますが、自分に必要なものだけを選んで取り組むことができます。
また、終活に年齢制限はありませんので、自分の都合にあわせて、いつでも好きなタイミングで終活を始めることができます。
終活に特別なルールはありませんので、気軽に始めやすいというところも、終活の大きな魅力になります。
終活30代のメリット!老後の準備だけでなく人生設計に役立つ
終活には多くのメリットがあります。
将来の準備はもちろんこと、終活をとおして自分自身と向き合ったり、具体的な人生設計を考えたりできるようになることも終活の魅力になります。
今までの人生を振り返って、やり残したこと、今後やりたいことなどが見つかると、目標が生まれて前向きに暮らせるようになります。また、具体的な人生設計を立てることができれば、理想的な未来を実現しやすくなります。
そして、終活には、大切な家族の不安や負担を減らすことができるという大きなメリットがあります。
たとえば、怪我や病気によって、自分が意思疎通できなくなったり、亡くなったりした場合、家族はさまざまなことを決断する必要に迫られます。
ですが、終活をしていれば、自分に何かあったときの希望を伝えることができ、家族の悩みや負担を減らすことができます。
30代はまだ若く、高齢者と比べると怪我や病気になりにくい年齢ですが、自分と家族のためにも終活を検討してみましょう。
終活30代でやるべきこと!8つの活動でスタート
30代から終活を始めるときに、何をすればよいのかわからない・・・という方も少なくありません。
終活の内容はさまざまですが、自分に必要なことだけを選んで終活することができます。
終活に特別なルールはありませんので、自分が始めやすいことから終活に取り組んでみましょう。
一般的に30代の終活でやるべきことには、以下の8つがあります。
1. エンディングノートの作成
2. 生前整理
3. デジタルデータ整理
4. 財産整理
5. 介護・医療にそなえる
6. 葬儀・お墓をチェックする
7. 自分の老後をイメージする
8. 終活イベントに参加
ここでは、30代の終活でやるべきことを解説します。
《終活30代でやること1》エンディングノートの作成
終活の一環として、エンディングノートを作成する方はたくさんいます。
エンディングノートとは「自分の気持ちや意思を家族に伝えるためのノート」になります。
介護や医療、葬儀やお墓、遺品や財産などに関する希望をエンディングノートに書いておくと、自分に何かあったときに、家族がエンディングノートを参考にして判断できるようになります。
エンディングノートは普通のノートで自作できますが、文具店や本屋などで市販のエンディングノートを購入することもできます。また、一部の自治体や葬儀社、終活イベントなどではエンディングノートを無料配布しているところもあります。
エンディングノートを選ぶときは、デザインや項目内容、ページ数などを参考にして、自分好みのエンディングノートを選択しましょう。
《終活30代でやること2》生前整理(断捨離)
生前整理とは「生きている間に身辺整理をすること」です。
故人(亡くなった方)の所持品は「遺品」となり、一般的に、残された家族が遺品整理をします。
そのため、遺品が多いほど、家族の負担が増えてしまいます。
また、故人にとって大切なものや一般的に価値あるものでも、家族が何も知らないと、遺品整理のときに処分されてしまう可能性があります。
家族の負担を減らし、自分の大切なものを守るためにも、生前整理で身の回りをスッキリさせましょう。
生前整理では、不要なものを買わない・捨てる・執着しないという「断捨離」が基本になります。
40代・50代・60代になってから「物が多くて困る・・・」といった状況にならないためにも、30代の頃から少しずつ生前整理を始めて、今から準備しておきましょう。
《終活30代でやること3》デジタルデータ整理
30代の終活では、スマートフォンやパソコンなどにある「デジタルデータ」の整理も重要になります。
必要なデータと不要なデータを整理して、いらないデータは削除しておきましょう。自分に何かあったとき、家族や友人にデジタルデータの削除を依頼する方法もおすすめです。
また、現在は、自分の死後、パソコンのデータが自動的に削除されるソフトもあります。デジタルデータの削除を他人に頼めないときは、「死亡時自動削除ソフト」などのツールも検討しましょう。
インターネットバンキングやインターネット通販、SNS、月額サービスなどの個人情報(ID、パスワード等)については、重要書類として1つにまとめて記録・保管することをおすすめします。
パスワードなどの重要データをまとめて保管しておけば、自分の死後、利用中のサービスを退会・変更する際に、家族の負担を減らすことができます。
《終活30代でやること4》財産整理(お金の整理)
現在ある自分の資産を把握するためにも、財産整理をしましょう。
現金や預金、有価証券、土地・不動産、貴金属、骨董品など、すべての財産を確認して「財産目録」などに記録しておきます。借金やローンなどの負債がある場合は、その内容と金額も記録しておきましょう。
財産整理をすることで、現在ある自分の資産がわかり、将来に必要なお金の計画も立てやすくなります。
2019年のときに「老後に必要なお金は2,000万円」という金融庁の報告がありましたが、実際には、将来や老後に必要な金額は人それぞれです。
30代は、結婚、子育て、住宅購入、教育費、保険といった多くのことにお金がかかる世代になりますので、財産整理をきっかけに、将来的な資金計画を立ててみましょう。
《終活30代でやること5》介護・医療にそなえる
万が一にそなえて、介護や医療について考えることも終活の一環になります。
30代の方にとって、自分の介護や終末期は遠い先のことだと思われるかもしれませんが、突然の病気や事故などによって、意思の疎通ができなくなったり、若くして亡くなったりする可能性もあります。
自分に何かあったときは、介護や医療について残された家族が決断する必要に迫られますので、事前に自分の希望を周囲に伝えておきましょう。
どのような介護を受けたいのか、どこまで延命治療を受けたいのか・・・など、日頃から家族と話し合ったり、エンディングノートに書いておいたりすると安心です。
《終活30代でやること6》葬儀・お墓をチェックする
30代では、自分の葬儀やお墓について具体的にイメージできない方もいると思いますが、50代・60代・70代といった親世代のことも考えて、葬儀やお墓について調べておきましょう。
現代は多様化が進み、葬儀やお墓もさまざまな種類があります。
葬儀やお墓は規模・内容によって費用が大きく変わるので、将来的な資金計画を立てるためにも、葬儀やお墓について事前にチェックしておきましょう。
また、自分に何かあったときにそなえて、「遺影写真」を決めておくこともおすすめです。
以前は「無表情の遺影」が一般的でしたが、最近は「笑顔の遺影」も増えています。最後のお別れ(葬儀)にどんな写真を飾りたいのか、家族や弔問者のことを考えて遺影写真の候補を決めておきましょう。
《終活30代でやること7》自分の老後をイメージする
30代の終活では、自分の将来・老後についてイメージすることも大切になります。
老後はどこに住みたいのか、どのように暮らしたいのか、定年後も働き続けるのか、年金だけで生活するのか・・・などを考えて、人生の目標を決めましょう。
短期的な目標、中長期的な目標、どちらも決めておくと安心です。
人生の目標が決まれば、それを実現するために必要な行動やスキル、費用などがみえてきます。
そして、具体的に考えて行動すれば、理想的な将来・老後を実現できる可能性が高くなります。
今後の人生をよりよくするためにも、30代の頃から、自分の老後について考えておきましょう。
《終活30代でやること8》終活イベントに参加
終活で何をすればよいのかわからない、終活について相談できる相手がいない・・・というときは、各地で開催されている「終活イベント」に参加してみてはいかがでしょうか?
終活イベントでは、エンディングノートの書き方や最新のお葬式・お墓、相続税の節税対策などについて学ぶことができます。
無料で参加できる終活イベントもありますので、気軽に申し込んでみましょう。
30代の方は、50代・60代・70代の親御さんと一緒に終活イベントに参加することもおすすめです。
終活イベントでは、終活関連のプロに相談できるだけでなく、さまざまな催し物を楽しむこともできます。
気軽にできる終活の一環として、終活イベントに参加してみてはいががでしょうか?
終活の30代は必見!エンディングノートの書き方とコツ
30代から終活を始めるときは、最初にエンディングノートの作成がおすすめです。
エンディングノートとは「自分の希望を家族に伝えるためのノート」であり、自分に何かあったとき、家族の負担を減らすことができる便利なツールです。
ここでは、30代の終活に必要なエンディングノートの書き方を解説します。
終活30代はエンディングノートを有効活用!書き方と必要項目
まずはエンディングノートを用意します。
普通のノートやコピー用紙で自作するか、市販のものを購入するか、自治体や葬儀社などの無料配布で入手するかなどして、エンディングノートを用意しましょう。
ただし、最初からページ数の多いエンディングノートを用意してしまうと、エンディングノートを始めて書く方は、挫折する可能性があるので注意しましょう。
エンディングノート初心者の方は、まずはお試しとして、無料配布のエンディングノートから書き始めることをおすすめします。
そして30代の方は、以下のような項目をエンディングノートに書きましょう。
【自分のこと】・・・氏名・生年月日・住所・本籍地・家族構成・自分史など
【介護・医療のこと】・・・介護内容、告知・延命治療・臓器提供の希望など
【葬儀・お墓のこと】・・・葬儀やお墓の希望、遺影写真の有無、各種連絡先
【財産のこと】・・・金融機関名、口座番号、クレジットカード、保険など
【遺産相続のこと】・・・遺産相続の希望、遺言書の有無・保管場所など
【ペットのこと】・・・ペットがいる場合、名前・種類・かかりつけの病院など
【家族へのメッセージ】・・・感謝やお願いなど。親しい人へのメッセージも
エンディングノートを作成するときは、自分が書きやすい項目から埋めましょう。
すべての項目を一度に埋めようとせず、自分のペースで少しずつエンディングノートを完成させていくことが挫折しないポイントになります。
終活30代の注意点!後悔しないための4ポイント
30代から終活を始める場合、いくつかの注意点があります。
終活をスタートさせてから後悔することがないように、30代の終活で気をつけるポイントを確認しましょう。
ここでは、終活する30代の注意点を解説します。
《注意点1》エンディングノートの存在を家族に知らせる
終活でエンディングノートを作成した場合は、エンディングノートの存在と保管場所を家族に知らせておきましょう。
エンディングノートの存在や保管場所を家族が知らないと、必要なときに、エンディングノートが活用されない可能性があります。
自分の気持ちや意思を正しく伝えるためにも、エンディングノートの存在を家族に知らせておきましょう。
《注意点2》終活のことはなるべく家族と話し合う
30代の終活は、なるべく家族と話し合って進めましょう。
特に、結婚して家庭のある方は、自分の独断で終活を進めてしまうと、あとからトラブルになる可能性があります。
終活では、介護や医療、葬儀やお墓、お金のことなど、家族にも影響がある内容に触れます。
将来的に家族でもめないためにも、既婚の方はもちろん、独身の方も、なるべく家族と話し合いながら終活を進めましょう。
《注意点3》遺産相続については「遺言書」を作成する
エンディングノートには、法的効力がありません。
遺産相続についての希望は「遺言書」に記しましょう。
遺言書は自作する場合は、無効・改ざん・盗難・紛失のリスクを避けるためにも、専門家に依頼して作成する「公正証書遺言」がおすすめです。
公正証書遺言の場合、手間や作成費用はかかりますが、原本は公証役場に保管されるので安心です。
遺言書を自作する場合は、インターネットから遺言書のテンプレートをダウンロードするなどして、遺言書が無効とならないように書き方に注意しながら作成しましょう。
《注意点4》終活にかける費用はなるべく少なく
30代の終活では、葬儀やお墓を生前契約する必要はありません。
健康上の理由などによって、30代の方でも葬儀やお墓を生前契約する方もいますが、一般的には30代で葬儀やお墓の生前契約は必要ないと考えられます。
30代でお墓を購入しても、その後の引っ越しや価値観の変化などによって、自分にふさわしいお墓が変わる可能性があります。
30代のときは自分だけでなく、家族のためにお金が必要となる場面も多々ありますので、30代の終活ではなるべく大金を使わないように注意しましょう。
終活は30代からでも早くない!より豊かな未来を実現するために
この記事では、30代の終活について解説しました。いかがでしたでしょうか?
30代の終活では、老後のためだけでなく、身近な将来に向けての準備を進めることもできます。
今後の人生をどのようなものにしたいのか、30代の終活をきっかけに、自分自身と向き合って考えてみましょう。
将来への不安を解消するために、また、今後の人生をより豊かにするためにも、30代から終活を始めてみてはいかがでしょうか?