将来にそなえて終活を始めたい・・・そんな方もいるのではないでしょうか?
40代はまだ働き盛りの世代であり、元気な人がたくさんいます。仕事や家事、育児などが安定してきて、自分のことを見つめ直す余裕が生まれるのも40代の特徴ではないでしょうか?
そして、自分や家族のために、終活を意識し始める40代の方も少なくありません。
終活は、老後や死後の準備だけでなく、今後の人生をより豊かなものにするための活動でもあります。
終活の必要性を感じ始めた40代の方は、今からできる終活に取り組んでみましょう。
ここでは終活40代の特徴とメリット、やるべきこと、エンディングノートの書き方などを解説します。
目次
終活は40代から!未来のために今からできる活動
そもそも、「終活」とは何だろう?・・・と改めて考えてみることも、終活の一環になります。
終活とは「自分が理想とする老後・最期を迎えるための準備」であり、将来の不安を解消するための活動になります。
終活の内容は、生前整理、財産整理、エンディングノートの作成など多岐にわたりますが、終活についての知識を深めることも終活の一環になります。
まずは、終活の特徴やメリットをおさらいして、終活の魅力を確認しましょう。
ここでは最初に、終活の基礎知識を解説します。
終活の特徴とは?近年は40代から始めている人も増えています
終活とは「自分にとって理想的な最期を迎えるための準備活動」になります。
「終活」という言葉(造語)は2009年に誕生して以来、テレビや新聞、雑誌など多くのメディアに取り上げられて話題を集めています。2012年には「終活」が流行語大賞トップ10に選ばれており、終活は世間で広く知られるようになりました。
そして、現在では、終活に関する書籍やセミナー(講座)、イベント、資格なども増えており、現代人にとって終活はより身近な存在となっています。
終活を始めるタイミングは人それぞれですが、一般的には、定年退職をきっかけに終活に取り組む方が多いようです。ですが、近年は40代から終活を始める方も増えてきました。
終活を始める年齢に決まりはなく、自分に必要なタイミングで終活を始めることができます。
ですが、あまり高齢になってから終活を始めると、気力・体力の衰えによって、終活がスムーズにできなくなる可能性があります。
終活には、生前整理(断捨離)や財産整理、エンディングノートの作成などやるべきことが多くありますので、高齢になってからよりも、40代の元気なときから終活に取り組むほうが安心といえます。
終活の意義とメリット!40代にとっては今後の人生設計に役立つ
終活には、さまざまなメリットがあります。
たとえば、自分の老後・最期にそなえることで将来の不安を解消したり、自分自身と向き合って今後の人生設計を考えたりするなど、終活には多くのメリットがあります。
どのような老後を過ごしたいのか、どのような最期を迎えたいのか・・・などを具体的にイメージできると、今後の人生設計・資金計画が立てやすくなりますよね。
また、終活をとおして自分の人生を振り返り、やり残したことや今後やりたいことに気がつくと、将来の目標ができて前向きに暮らせるようになります。
今まで自分自身と向き合う時間や余裕がなかったという方は、40代の終活をきっかけに、自分の人生を見つめ直してみましょう。
40代という人生の折り返し地点で、新たな発見があるかもしれません。
終活のメリットには、このほかにも、家族の負担を減らせることが挙げられます。
万が一、自分に何かあったときには、残された家族がさまざまなことを判断しなければなりません。自分の介護や終末期医療(延命治療)、お金のことなどについては、終活で事前準備しておくと家族の負担を軽くすることができます。
大切な人に何かあったとき、さまざまなことを決断しなければならないという状況は、家族にとって精神的に大きな負担となります。
結婚している方・独身の方を問わず、家族や親しい人の負担を減らすためにも、40代から終活を考えてみましょう。
終活は40代でも早くない!既婚・独身問わず、既に始めています
40代で終活は早すぎるのでは?・・・と感じる方もいると思います。
ですが、近年は終活の広まりとともに、将来にそなえて40代から終活を始める方も少なくありません。
特に、40代の独身男性・独身女性では、終活に興味のある方が増えているそうです。
人間の寿命には個人差があり、いつ亡くなるかは誰にもわかりません。
結婚している方は配偶者や子どものために、独身の方は将来の不安を解消するために、40代の終活を検討してみましょう。
ここでは、終活する40代の特徴とメリットを解説します。
終活40代の特徴とメリット!人生の折り返し地点から再スタート
40代はまだ働き盛りの世代であり、心身ともに元気な方がたくさんいます。
仕事や家事、育児も安定してきて、お金や時間のゆとりが多少生まれて、さまざまなことに興味を持てるようになるのも40代の特徴ではないでしょうか?
そして、ご自身の肉体的な衰えや、60代・70代・80代という自分の親をとおして、将来に不安を感じ始める40代の方も少なくありません。
現代は「人生100年時代」に向かっているといわれており、日本人の長寿化が進んでいますが、いつ亡くなるかは誰にもわかりません。病気や怪我、事故、自然災害などによって命をおびやかされる可能性は、誰にでもあります。
40代の方は、がん(悪性腫瘍)や心疾患などによって、30代の方よりも死亡率が増えています。そして、現在における日本人の平均寿命は「男性81.25年」、「女性87.32年」となっています。(※平成30年簡易生命表・参照)
日本人の平均寿命は81~87歳になりますので、40代は、人生の折り返し地点に到達した年齢といえます。
人生の半分を過ぎた40代にとって、今から終活を始めることは自然の流れであり、決して早すぎることはありません。
万が一にそなえて、40代から終活を始めてみましょう。
また、40代は「不惑(40歳にして迷わなくなった)」といわれますが、今まで培ってきた経験と知識を活かして、今後の人生をより豊かなものにすることができる世代でもあります。
終活をとおして自分自身と向き合い、今後の目標や人生設計について考えることは、40代の方にとって大きなメリットになるでしょう。
終活40代は親のことも考えるきかっけに。親子で終活が理想的
40代の終活は、親の老後や最期について考えるきっかけになります。
60代・70代・80代になる自分の親について、将来的な不安を解消するためには、親子での終活がおすすめです。
一昔前は「死」について考えることは不吉とされていましたが、近年は、終活の広まりとともに、人生の最後について考えることを前向きにとらえる見方も増えています。
誰でも気軽に参加できる終活イベントや終活セミナーなども各地で開催されていますので、親子で一緒に参加してみてはいかがでしょうか?
一般的に、子より親の方が先に逝く可能性が高くなります。40代の子から働きかけることで、親の終活も一緒にできたら安心ですね。
終活40代でするべきこと!主な7つの活動を紹介
終活の内容は多岐にわたりますが、自分に必要なものだけを選んで取り組むことができます。
必要な終活内容は、ライフスタイルや生活環境によって人それぞれ異なりますので、まずは主な終活内容をおさらいして、自分に必要なものを確認しましょう。
40代の終活内容には、以下のようなものがあります。
1. エンディングノートの作成
2. 生前整理(断捨離・身辺整理)
3. デジタルデータ整理
4. 財産整理(お金の整理)
5. 介護・医療について考える
6. 葬儀・お墓について考える
7. 自分の老後をイメージする
ここでは、終活40代でやるべきことを解説します。
《終活40でやるべきこと1》エンディングノートの作成
エンディングノートとは「自分の気持ちや意思を伝えるためのノート」です。
介護・医療、葬儀・お墓、遺品・財産などについて希望がある場合は、エンディングノートにその旨を記しておくと安心です。
エンディングノートがあれば、自分に何かあったときに、残された家族がエンディングノートを参考にして物事を判断することができます。
終活の一環としてエンディングノートを書いている方はたくさんいますので、終活で何をすればよいのかわからない方は、まずエンディングノートの作成から取り組んでみてはいかがでしょうか?
エンディングノートは自分の希望を伝えるたけでなく、必要な情報の提供によって、残された家族の負担を減らすことができます。また、遺族の方にとっては、エンディングノートが「大切な形見」にもなります。
自分と家族のためにも、40代からエンディングノートを作成してみましょう。
《終活40代でやるべきこと2》生前整理(断捨離・身辺整理)
生前整理とは「生きている間に身辺整理をする」ことです。
生前整理では、不要なものを買わない・処分する・執着しない・・・といった「断捨離」が基本になります。
物が多い部屋では、怪我をしたり、探し物が見つからなくなったりするリスクが高くなります。
また、40代で独身の方は、自分に何かあったときに、家族や友人・知人、同僚、大家さんなどに自宅を見られる可能性があります。その際、物があふれ返った部屋を見られてしまうと、とても恥ずかしい思いをしてしまいます。
このほかにも、モノが多い暮らしでは、自分の死後、「遺品整理」をする家族の負担が大きなるというデメリットがあります。
故人の所有物はすべて「遺品」となり、一般的に、残された家族が遺品を整理・処分することになります。
家族の負担を減らすためにも、生前整理で身の回りをスッキリさせましょう。
身の回りがスッキリすると、生活環境が快適になるだけでなく、心身もスッキリとして軽い気持ちになります。
必要なものと不要なものを仕分けする、不要なものを売却・譲渡・処分する、収納場所を工夫するなどして、効率よく生前整理をおこないましょう。
《終活40代でやるべきこと3》デジタルデータ整理
40代の終活では、パソコンやスマートフォン(スマホ)、タブレットなどにある「デジタルデータ」も整理しましょう。
必要なデータと不要なデータに仕分けして、整理・処分します。写真やメール、動画など、他人に見られて困るようなものは、なるべく早めに消去しておくと安心です。
自分の死後に不要となるデータは、家族や友人に、不要データの処分を事前にお願いしておきましょう。また、デジタルデータの消去を誰にも頼めない場合は、「死亡時自動削除ソフト」などの検討もおすすめです。
インターネットバンキングやお買い物サイト、SNS、ブログ、定額サービスなどの重要情報(ID、パスワード、秘密の質問等)は、1つにまとめて大切に管理しておきましょう。
自分の死後、利用中のサービスを変更・解約・退会する場合、重要情報が1つにまとまって保管されていれば、各種手続きをおこなう家族の負担を減らすことができます。
40代はパソコンやスマートフォンに慣れ親しんでいる世代になりますので、終活の一環として、デジタルデータの整理も今から始めておきましょう。
《終活40代でやるべきこと4》財産整理(お金の整理)
40代の終活では、現在ある自分の財産を整理することも大切になります。
まずは、財産をリストアップして、今現在、自分にはどれくらい資産があるのかを確認しましょう。
現金、預金、土地・不動産、有価証券、貴金属、骨董品など、あらゆる自分の財産を確認してリストアップします。財産のリストには、借金やローン、連帯保証人の有無といったマイナスの財産についても記載しておきましょう。
財産整理によって現在ある自分の資産がわかると、将来的な資金計画を立てやすくなります。
2019年に「老後に必要な費用は2,000万円」という金融庁の報告がありましたが、実際に、老後に必要なお金は人それぞれです。
40代のうちに財産整理をすれば、将来の資金計画を立てやすくなり、節約や貯蓄、生命保険の見直し、資産運用といった今から取り組むべき課題がみえてきます。
40代からの新しいステップとして、財産整理・管理を始めましょう。
《終活40代でやるべきこと5》介護・医療について考える
万が一にそなえて、40代から介護や医療について、ある程度決めておきましょう。
人間の寿命には個人差があり、いつ亡くなるかは誰にもわかりません。病気や怪我、事故、自然災害などによって、若くして亡くなってしまう方もいます。
自分に何かあったときのことを考えて、介護や医療について、今から決めておきましょう。
介護については、希望する介護内容、介護をお願いする人、介護場所(自宅または施設)、介護費用などを考えます。
医療については、終末期医療(延命治療)や臓器提供の意思、医療保険などを考えておきましょう。
介護や医療に関連することは、自分だけでなく、家族にも大きく関わってきます。
あとで問題が起こらないように、自分の介護や医療について、事前に家族と話し合っておきましょう。
《終活40代でやるべきこと6》葬儀・お墓について考える
40代は働き盛りの世代であり、元気な方がたくさんいます。そのため、40代のうちに自分の葬儀やお墓を準備する方は、あまり多くはないでしょう。
ですが、葬儀やお墓について調べることは将来的に役立ちますし、親の終活を考えるときも助けになります。
特に、自分や家族の宗派、お墓の有無・処分などについては、今のうちから確認しておきましょう。
遺影写真の用意、葬儀の参加者リスト、希望とする葬儀やお墓などについて、生前から家族と話し合っておくこともおすすめです。
葬儀やお墓についての希望は、エンディングノートにも書いておきましょう。
《終活40代でやるべきこと7》自分の老後をイメージする
40代の終活では、自分の将来を具体的にイメージすることも重要です。
夢や目標はあるのか、どのような老後を過ごしたいのか、どのような最期を迎えたいのか・・・など、自分の将来について具体的に考えてみましょう。
そして、理想の未来が描ければ、将来のために必要なスキルや行動、費用などもみえてきます。
理想の老後・最期には個人差があり、既婚者と独身者では、将来に対するそなえも変わります。
特に、40代のおひとりさま(独身の方)は、「パートナーの必要性」や「孤独死のリスク」、「成年後見制度」、「死後事務委任契約」などについても考えてみましょう。
【孤独死のリスク】・・・誰にも看取られずに、独りで亡くなること
【成年後見制度】・・・自分が認知症などで判断能力が衰えたときに、支援・保護してもらう制度
【死後事務委任契約】・・・自分の死後、各種手続きや支払いを代行してもらうための生前契約
終活40代エンディングノートの書き方!ポイントと注意点
エンディングノートとは、「自分の気持ちや意思を伝えるためのツール」です。
介護・医療、お葬式・お墓、遺品・財産などについて希望がある場合は、エンディングノートにその旨を書いておきましょう。
ここでは、40代の終活におけるエンディングノートの書き方を解説します。
終活40代におすすめ!エンディングノートの書き方と必要項目
まずは、エンディングノートを用意しましょう。
エンディングノートは普通のノートで自作できますが、本屋や文具店などでは専用のエンディングノートが有料販売されています。
また、一部の自治体や葬儀社、終活フェアなどでは、エンディングノートを無料配布しているところもあります。
自作、有料、無料いずれのエンディングノートでも問題ありませんので、「デザイン、項目内容、ページ数など」を参考にして、自分好みのエンディングノートを用意しましょう。
エンディングノートを用意したあとは、家族のために必要な情報を、エンディングノートに書いていきます。
市販や無料配布のエンディングノートには、あらかじめ必要な項目が用意されていますので、自分が書きやすい項目から埋めていきましょう。
40代エンディングノートの主な項目は、以下のとおりです。
1. 【自分のこと】・・・氏名・生年月日・本籍地・家族構成・自分史など
2. 【親族・友人・会社関連の連絡先】・・・何かあったときに知らせたい連絡先
3. 【家族へのメッセージ】・・・家族や親しい人への感謝の気持ちやお願いなど
4. 【介護・医療のこと】・・・理想の介護、延命治療、臓器提供の意思など
5. 【葬儀・お墓のこと】・・・理想の葬儀・お墓、遺影写真の有無、費用など
6. 【財産・お金のこと】・・・財産の内容、重要書類・印鑑等の保管場所など
7. 【遺産相続のこと】・・・遺産相続の希望、遺言書の有無・保管場所など
エンディングノートには、書き方のルールはありません。どんなことでも、自分の自由に書くことができます。
エンディングノートの筆が進まない方は、まずは日記のように、日々の出来事や思い出をエンディングノートに書くことから始めてみてはいかがでしょうか?
終活40代のエンディングノートは3つのポイントに要注意!
エンディングノートを書くときは、以下3つの注意点に気をつけましょう。
1. エンディングノートは一度にすべて書かない
2. エンディングノートは定期的に見直す
3. エンディングノートには法的効力がない
《注意点1》エンディングノートは一度にすべて書かない
エンディングノートを書くときは、一度にすべての項目を埋めないで、自分が書きやすいところから取り組みましょう。
一度にすべての項目を埋めようとすると、書きにくいところでストップしてしまい、エンディングノートを挫折していまう原因になります。
エンディングノートを書くときは、自分のペースで無理なく進めることが、成功のポイントになります。
また、エンディングノートを書いたあとは、エンディングノートの存在と保管場所を家族に知らせておきましょう。
《注意点2》エンディングノートは定期的に見直す
エンディングノートは定期的に見直して、必要があれば、加筆・修正しましょう。
エンディングノートを一度完成させても、そのまま終わりではありません。
時の流れとともに、人間の価値観や考え方は変わります。エンディングノートを定期的に見直して、古い情報を削除し、新しい情報に上書きしましょう。
《注意点》エンディングノートには法的効力がない
エンディングノートは自由に作成できますが、法的効力はありません。
遺産相続など財産に関することは、法的効力をもつ「遺言書」を作成しましょう。
遺言書は自作できますが、無効・紛失・盗難・改ざんなどのリスクを回避するためにも、専門家が作成する「公正証書遺言」がおすすめです。
遺言書を作成した場合は、エンディングノートに遺言書の存在を書いておきましょう。
終活40代は新たなスタート!より豊かな未来を実現するために
この記事では、40代の終活について解説しました。いかがでしたでしょうか?
近年は、終活の広まりとともに、40代から終活を始める方も増えてきました。
終活には、将来に向けての準備だけでなく、自分自身と向き合って今後の人生に活かすというメリットもあります。
自分と家族のために、気力・体力ともに十分な40代から、終活を始めてみてはいかがでしょうか?