近年、終活の広まりとともに「エンディングノート」を作成する人が増えています。でも、エンディングノートや遺言書だけでは伝えきれない情報や想いがありますよね。

そんなときは、エンディングノートの映像版として「エンディングムービー」を作成してみてはいかがでしょうか?

心を込めて作成したエンディングムービーは、葬儀などで上映できるだけでなく、残された家族にとって「大切な形見」にもなります。

ここでは、終活エンディングムービーの特徴とメリット、制作方法、種類と料金、注意点を解説します。

終活のエンディングムービーとは?特徴とメリットを解説

エンディングムービーというと、結婚式の最後に流れる「エンドロールムービー」を思い浮かべる方もいるのではないでしょか?

ですが、今回ご紹介する「終活エンディングムービー」は、人生の終わりに向けて用意される動画になります。

終活では、生前整理や財産整理、介護・医療・葬儀・お墓の準備、エンディングノートや遺言書の作成など、やるべき内容がたくさんあります。

特に、エンディングノートや遺言書という言葉は、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?

エンディングノートや遺言書は、故人の要望や気持ちを伝えるための手段です。

そして、終活の一環として、エンディングノートや遺言書を作成している方は少なくありません。

ですが、エンディングノートや遺言書だけでは、自分の思いを十分に伝えきれないことがあります。

大切な家族や親しい人々に、ご自身の気持ちを十分に伝えたいときは、エンディングノートの映像版「終活エンディングムービー」を作成してみてはいかがでしょうか?

ここでは最初に「終活、エンディングノート、エンディングムービー」それぞれの基礎知識を解説します。

「終活」の意味と役割。将来のために今からできること

終活とは「自分の老後・最期を迎えるための準備活動」のことです。

終活という言葉は2009年に誕生して以来、さまざまなメディアに取り上げられて話題を集めました。「終活」は2010年に流行語大賞にノミネートされ、2012年には流行語大賞のトップ10に選ばれています。

そして現在、終活は世間に広く認知されており、実際に終活をおこなっている人も増加しています。

終活を始める年齢は、セカンドライフを迎えたシニア世代が最多ですが、20代・30代・40代・50代でもすでに終活に取り組んでいる方がいます。

終活には将来のそなえだけでなく、終活をとおして人生設計や資金計画を立てたり、いざというときに家族の負担を減らせたりするというメリットがあります。

「人生100時代」といわれる現代ですが、人の寿命や運命は誰にもわかりません。何か起きてから準備を始めても、手遅れになってしまう可能性があります。

そして、終活をスムーズに進めるためには「気力・体力・行動力・判断力」が必要になります。

終活はいつからでも始められますが、まだ心身が元気なうちに、なるべく早めに終活をスタートさせましょう。

終活の「エンディングノート」とは?いざという時に役立つツール

エンディングノートとは「自分の要望や気持ちを伝えるためのノート」のことです。

介護・医療、葬儀・お墓、遺品・相続などについての要望は、エンディングノートに記載しておくと安心です。

エンディングノートが用意されていれば、自分に何かあったときでも、家族がエンディングノートの内容を参考にして物事を判断することができます。

また、エンディングノートには、自分史や家族へのメッセージなどを書くこともできます。

このように、エンディングノートは家族の助けになるだけでなく、遺族にとって「大切な人の形見」にもなります。

遺産相続などに関することは、法的効力のある「遺言書」の作成がおすすめですが、家族に必要な情報や気持ちを伝えたいときは、エンディングノートを作成しましょう。

終活の「エンディングムービー」とは?生前の姿を映像として残す

終活エンディングノートとは「エンディングノートの映像版」のことです。

終活エンディングムービーは「終活ビデオ、終活DVD、メモリアルムービー」などと呼ばれることもあります。そして、近年は終活の広まりとともに、終活エンディングムービーを作成する方が増えています。

終活エンディングムービーは自由に作成することができ、映像の内容も自分で決めることができます。

たとえば、大切な人々へのメッセージ、自分史、自分の気持ちなどを、終活エンディングムービーによって伝えることができます。

終活エンディングムービーがエンディングノートと異なるところは、映像の力によって、よりダイレクトに見る人に想いが伝わることです。

「ありがとう」という言葉1つにしても、ノート(紙)に書かれたものと、映像で残されたものとでは、見る人の感じ方が変わります。笑顔や笑いのあるような本人からの「ありがとう」という映像は、見る人に驚きと感動をあたえることでしょう。

このほかにも、終活エンディングムービーのメリットとして、映像の使い道を自由に決められることが挙げられます。

ご自身のお通夜やお葬式、お別れ会・偲ぶ会などで上映したり、大切な家族にプレゼントとして贈ったりするなど、終活エンディングムービーにはさまざまな使い道があります。

終活エンディングムービーによって生前の元気な姿を見ることができれば、家族や周囲の人々は故人との思い出がよみがえって、より親しみを込めて偲んでくれることでしょう。

このように、終活エンディングムービーには多くのメリットがあります。

ご自身とご家族のためにも、終活ではエンディングノートだけでなく、エンディングムービーの作成も検討してみましょう。

終活エンディングムービー制作の流れ!

終活エンディングムービーを作成する方法は、2種類あります。

1つ目は、終活エンディングムービーを自分で作成する「自作」です。

終活エンディングムービーの自作には、あまりお金をかけずに(やり方によっては無料)、自分好みの作品を作成できるというメリットがあります。

ただし、クオリティの高い作品に仕上げるためには、機材や専用ソフト、知識などが必要になります。

2つ目は、終活エンディングムービーの制作会社に依頼する方法です。

終活エンディングムービーを制作会社に依頼する場合は、ある程度の費用がかかりますが、専門家の手によってクオリティの高い作品に仕上げてもらうことができます。

多少お金をかけてでも、終活エンディングムービーをよりよい作品にしたいときは、制作会社に依頼することを検討しましょう。

ここでは、終活エンディングムービー制作(制作会社)の流れを解説します。

終活エンディングムービーを制作会社に依頼する場合のステップ

終活エンディングムービーを制作会社に依頼する場合は、注文から納品までの流れを事前に把握しておくと安心です。

契約したあとで後悔しないためにも、終活エンディングムービー制作の流れとポイントをチェックしておきましょう。

終活エンディングムービー制作(制作会社に依頼)の流れは、以下のとおりです。

1. お問い合わせ&質問・相談
2. 事前の打ち合わせ
3. 申込&入金
4. 撮影&素材準備
5. 編集&修正
6. 完成&納品

《終活エンディングムービー制作の流れ1》お問い合わせ&質問・相談

終活エンディングムービーのプランや料金などは、制作会社によって異なります。

終活エンディングムービーの制作会社は数多くありますので、公式サイトや資料などを参考にして、めぼしい業者をいくつか選びましょう。

そして、気になる制作会社にお問い合わせをして、不明な点を確認したり、見積もりをとったりするなどして、自分の希望を叶えてくれそうな業者を選びます。

制作会社を選ぶときは、プランと料金だけでなく、実績や口コミ、お客様への対応なども必ずチェックしましょう。

また、どのような終活エンディングムービーにしたいのか、どこまで費用を出せるのか・・・といったことも、事前に決めておくと、制作会社選びがスムーズに進みます。

《終活エンディングムービー制作の流れ2》事前の打ち合わせ

制作会社を決めたあとは、事前に打ち合わせをおこないます。

どのようなムービーを制作するのか、どのような目的で制作するのか、といった内容を制作会社の方と具体的に打ち合わせします。

打ち合わせをスムーズに進めるためにも、あらかじめ、ご自身が希望する終活エンディングムービーのイメージを決めておきましょう。

たとえば、自分の人生を振り返る「自分史」のような作品にしたい、現在の元気な自分と家族の姿を一緒に残せる「思い出」のような作品にしたい、好きな場所とBGMで「短編映画」のような作品にしたい・・・など、理想とする終活エンディングムービーには個人差があります。

自分が理想とする終活エンディングムービーのイメージがわかないときは、制作会社のサンプルムービーを参考にするとよいでしょう。

事前の打ち合わせは契約前の大切なステップになりますので、あとで後悔しないためにも、制作会社の方と十分に話し合うことをおすすめします。

《終活エンディングムービー制作の流れ3》申込&入金

事前の打ち合わせに納得したあとは、申込・入金という流れになります。

申込内容を再度確認して、問題がなければ契約しましょう。そして、申し込みが済んだあとは、終活エンディングムービー制作の料金を支払います。

終活エンディングムービー制作の料金は、一般的に前払いとなっています。

支払方法には、現金、口座振込、クレジットカードなどがありますが、制作会社によってはクレジットカードが使えないこともあるので注意しましょう。

料金の支払方法も、お問い合わせや事前打ち合わせのときに確認しておくと安心ですね。

入金が完了次第、申し込みも完了となります。

《終活エンディングムービー制作の流れ4》撮影&素材準備

終活エンディングムービーで「動画付きのプラン」を選んだ場合は、インタビューなどの撮影がおこなわれます。

撮影日程や撮影場所は、事前に決められたとおりです。

また、撮影内容はプランによって異なりますが、ご自身やご家族にインタビューをしたり、お気に入りの場所での撮影・ロケをおこなったりします。

貸衣装やヘアメイクの有無などもプランによって異なりますので、事前に確認しておきましょう。

制作会社にもよりますが、終活エンディングムービーは、お気に入りの写真や映像を提供して、作品に使ってもらうこともできます。

終活エンディングムービーに入れたい写真や映像がある場合は、制作会社に相談してみましょう。

《終活エンディングムービー制作の流れ5》編集&修正

写真や動画、BGM、ナレーションなど、必要な素材が準備できたあとは編集にうつります。

編集では、画像や動画の編集ソフトを使って素材を加工し、最終的に1本の終活エンディングムービーに仕上げます。

この段階ではまたサンプルの状態であり、このあと、仕上がった終活エンディングムービーを依頼主が確認(試写)して映像チェックをします。

そして、終活エンディングムービーの内容などに問題や間違いがある場合は、「修正」というかたちで、制作会社に該当部分をなおしてもらいます。

修正の回数は制作会社によって異なり、1回のみ修正可能という業者もあれば、依頼主が納得するまで何度でも修正可能という業者もあります。

修正の回数は多く利用できるほと依頼主側にメリットがありますので、プランを申し込む前に、修正可能な回数を確認しておきましょう。

修正が完了して映像に問題がない場合は、終活エンディングムービーの完成となります。

《終活エンディングムービー制作の流れ6》完成&納品

終活エンディングムービーが完成したあとは、依頼主への納品になります。

終活エンディングムービーの製作期間は、制作会社やプランによって異なりますが、一般的に2週間~1ヶ月くらいとなっています。

納品されるメディアの種類には「CD、DVD、ブルーレイ、フラッシュメモリー(USBメモリ)」などがあり、こちらも制作会社によって異なります。

それぞれのメディアを再生するためには、各メディア対応の再生機が必要になりますので、事前に確認しておきましょう。

終活エンディングムービーの種類と料金!

終活エンディングムービーの料金は、制作会社と種類(内容)によって異なります。制作会社を選ぶときは、終活エンディングムービーの種類と料金を参考にしましょう。

制作会社の終活エンディングムービーには、以下のような種類があります。

●写真のみプラン
●動画のみプラン
●写真&動画プラン
●写真&動画&撮影プラン

《終活エンディングムービーの種類1》写真のみプラン

お気に入りの写真をスライドショーにして、終活エンディングムービーにするプランです。

お手持ちの写真だけで作品が完成するので、製作料金は低価格となります。制作会社によって異なりますが、写真のみプランの費用は約1~10万円になります。

本人や家族を撮影する必要がないので、撮られることが苦手だったり、安価な料金で終活エンディングムービーを作成したかったりする場合は、写真のみプランがおすすめです。

写真のみプランでは、写真によって自分の生い立ちを紹介したり、文章で家族にメッセージを伝えることができます。

《終活エンディングムービーの種類2》動画のみプラン

本人のメッセージや質問形式のインタビューなどを撮影して、その動画を終活エンディングムービーにするプランです。

動画のみプランでは、生前の本人の姿や声が映像として残りますので、残された家族にとっては「大切な形見」になります。

また、生前の本人が直接話すことで、よりダイレクトに、終活エンディングムービーを見た人に思いを伝えることができます。

制作会社によって異なりますが、動画のみプランは約3~10万円で依頼できるところがあります。

撮影時間は1~2時間ほどであり、撮影場所を自分で指定できる場合もあります。

《終活エンディングムービーの種類3》写真&動画プラン

写真の「スライドショー」と動画の「メッセージ」を組み合わせたプランです。

写真で人生や思い出を振り返ったり、動画でメッセージを伝えたりすることができます。一番スタンダードなプランであり、人気があります。

家族への贈り物に、また葬儀やお別れ会などで上映するものとして、写真&動画プランは幅広く活用できます。

写真&動画プランの料金は制作会社によって異なりますが、3~50万円ほどになります。このほかにも、オプションの有無や映像時間の長さなどによって、価格が大きく変動します。

撮影時間や1~2時間ほどであり、撮影場所を自分で指定できる場合もあります。

《終活エンディングムービーの種類4》写真&動画&撮影プラン

写真やメッセージ動画だけでなく、本格的な撮影をおこなって、それらすべてを素材にして終活エンディングムービーを作成するプランです。

最も高価なプランになりますが、写真やメッセージ動画、撮影の3つを素材にして、より高いクォリティの終活エンディングムービーを作成することができます。

撮影では、日常生活やお気に入りの場所などで、本人の歴史や人柄がうかがえる映像を撮ります。本格的に撮影することで短編映画のようなストーリー性の高い作品になり、ほかのプランよりも、見る人により強い印象をあたえることができます。

写真&動画&撮影プランの費用は、制作会社によって異なりますが、約6~100万円になります。

ほかのプランに比べると高額ですが、一生に一度の終活エンディングムービーを最高の作品に仕上げたいという方は、写真&動画&撮影プランを検討してみてはいかがでしょうか?

終活エンディングムービーの注意点!失敗しないためのポイント

終活エンディングムービーを作成するときは、いくつかの注意点があります。

終活エンディングムービーの作成で失敗してしまうと、自分のイメージが損なわれたり、家族が恥ずかしい思いをしたり、親族間でトラブルとなったりする可能性があるので注意しましょう。

ここでは、終活エンディングムービーの注意点を解説します。

《終活エンディングムービーの注意点1》財産に関することはNG

現金、預金、土地・不動産、有価証券、保険、貴金属、骨董品などの財産に関することは、終活エンディングムービーに入れないように注意しましょう。

借金やローン、連帯保証人の有無などに関しても、同様です。

財産に関することは、家族など信頼できる人だけが知るべき情報であり、他人に知られてしまうようなリスクは回避する必要があります。

終活エンディングムービーを見る家族以外の人や制作会社に不要な情報をあたえないためにも、自分の財産に関することは終活エンディングムービーに入れないように気をつけましょう。

《終活エンディングムービーの注意点2》遺産相続に関することはNG

遺産相続に関することは、終活エンディングムービーではなく、「遺言書」を作成しましょう。

終活エンディングムービーには法的効力がありませんので、遺言書のように法律で縛ることができません。

また、法的効力が目的ではなく、単純に遺産相続について自分の気持ちを表明したい場合でも、その手段として終活エンディングムービーはおすすめできません。

遺産相続に関するエンディングムービーを見たことで、映像に法的効力がなくても、親族間で争いが起こる可能性があります。

遺産相続に関することは、エンディングムービーではなく、法的効力のある遺言書に盛り込みましょう。

《終活エンディングムービーの注意点2》ふさわしくない内容はNG

葬儀やお別れ会などで上映する場合、その場にふさわしくない内容は、終活エンディングムービーに入れないように注意しましょう。

常識の範囲を超えた姿や映像だったり、自分や身内の恥をさらしたりするような内容は、終活エンディングムービーとしてふさわしいものだとはいえません。

見る人にとって、故人との楽しい思い出がよみがえるような、素敵な内容の終活エンディングムービーを目指しましょう。

終活エンディングムービーで家族や大切な人々を笑顔に

この記事では、終活のエンディングムービーについて解説しました。いかがでしたでしょうか?

近年は、終活の広まりとともに、人生の終わりに向けて「終活エンディングムービー」を作成する方が増えています。

終活エンディングムービーでは、エンディングノートでは伝えきれない、故人の「表情」や「気持ち」を相手に届けることができます。

ご自身が生きてきた「証」として、また、ご家族や親しい人々への「贈り物」として、終活エンディングムービーを用意してみてはいかがでしょうか?