必見!失敗しないお墓選びのポイントとは?

お墓の種類は数限りなくあり、石材店もたくさんあります。石材店も有名、優良なお店から、いわゆる悪徳業者まで様々です。

お墓は一度購入したら、使用期間は数十年あるいは100年を超えることもあります。

お墓選びで費用ばかりにこだわり、劣化しやすいお墓を建ててしまった、大きな区画(土地)を購入してしまいお墓の管理や維持が出来なくなりお墓が風化してしまうなどの問題があります。

長く使い続けるものだからこそ、お墓選びは絶対に失敗したくないですよね?

お墓選びのポイントをおさえ、失敗しないお墓選びをしましょう。

お墓に定価はない?!悪徳業者にご注意を!

石材店が取り扱うお墓には適正価格はあっても定価はありません。

価格設定はお店の自由ですので、石材店によっては同じようなお墓でも価格が全く違うので注意が必要です。

墓地・霊園の周辺にある石材店などは、他店との協定を結んでいたりするので価格の違いはそれほどありませんが、中には協定に参加していない石材店もあるので、価格の比較はしっかりとしましょう。

不安な方は、全国優良石材店の会に登録しているお店から探すのもポイントです。

お墓の種類と石材の材質の違いと特徴

お墓参りに行くと和型のお墓はどれも同じように見えます。

しかし、どのお墓もよくよく見ると使用している石材の種類の違いや、装飾品の違いがあり、1つとして同じお墓は存在しません。

特に、近年はお墓も個性を表現できるモニュメントのような存在になっています。

昔ながらの和型のお墓、外国のような洋型のお墓、形にとらわれず自由なデザインを楽しむことができるお墓など、お墓の種類は多種多様です。

また、同じ形のお墓でも石材の種類が違えば全く違う印象になります。

例えば、和型のスタンダードスタイルの昔からあるお墓でも、黒い石材を使えばシックな印象になりますが、赤みがかった石材やグレー色の石材を使用すると明るい印象になります。

同じ形のお墓でも石材の色が違うだけでも、自分の好みに合わせることができます。

お墓に使われる石材の種類は約300種類あり、原産国も様々です。

石材名 イメージ 原産国 石材の特徴
御影石 御影石 日本 墓石と言えば御影石というほど、有名な石材です。色味も黒やグレーなどあるので幅広く使われています。
大谷石 大谷石 日本 やわらかい印象の石目で硬度も柔らかく加工に向いています。墓石だけではなく装飾にも使用されます。
吹雪石 吹雪石 日本 御影石の一種で、濃い青色に深みがあり高級感ある石材です。
庵治石 庵治石 日本 和型に合う石材です。硬度が高く風化に強く、美しい輝きがあります。品質 がとても良いので価格も張ります。
天山石 天山石 日本 和型に合う石材です。青色に透明感があり、高級感があります。耐久性もあるので品質とお価格のバランスが良い石材です。
吉祥石 吉祥石 日本 和型に合う石材です。御影石の一種で硬度が特に高く風化しにくく人気があります。近年採掘量が減っているため購入が難しくなっています。
万成石 万成石 日本 洋型に合う石材です。桜御影とも言われ、桃色の優しいイメージとは逆に硬度が高く、モニュメントとしても幅広く使われています。
クンナム クンナム インド 洋型に合う石材です。黒色に重厚感があり、高級感とスタイリッシュをあわせもった石材です。磨くほど美しく光ります。
アーバングレー アーバングレー インド 洋型に合う石材です。白御影石で風化しにくい石材です。緑がかったグレー色でデザインの対応力も高く、価格もお手頃です。
バルチックグリーン アーバングレー フィンランド 洋型に合う石材です。御影石の一種で落ち着いたグリーンはデザイン性が高いお墓に人気で、外国産の石材の中でも輸入歴が長いため耐久性にも高い評価があります。
中国桜御影 中国桜御影 中国 洋型に合う石材です。小桜とも言われています。柔らかな印象から、丸みを帯びたデザインがよく合います。国産の桜御影と混同されやすいので注意が必要です。
北大青 北大青 中国 価格がお手頃の石材です。黒に青と白がちりばめられている薄い黒色で、硬度も十分にあります。
インド山崎石 インド山崎石 インド 価格がお手頃な石材です。光沢と高級感があり石目の細かさが魅力です。まだ流通が少ないのでこれからの石材とも言えます。

イメージとして紹介したそれぞれの石材の色合いは、あくまでもイメージカラーになります。

石の表情は1つひとつ違うので、同じ種類の石材でも色合いや表情、雰囲気が違って見えます。

桜御影でも桃色が濃いのか薄いのか、混ざっている石は黒なのかグレーなのか?

さらに、石目が荒いか細かいかでも色合いは大きく変わってきます。

チラシやパンフレットだけでのお墓選びはNG

お墓のチラシやパンフレットが自宅のポストに投函されていることがあります。

何気なく見たお墓がとても気に入り、石材店へ連絡して見学の予約を取ると、墓地や霊園での待ち合わせになり先に区画(土地)の購入を進められる場合があります。

先に区画(土地)を購入してしまうと、希望のお墓のイメージより区画(土地)が広くなってしまい、予想より大きなお墓を建てなければいけなくなります。

また、チラシやパンフレットに掲載されているお墓はあくまでもイメージですので、石材の色合いが思っていいたものと違うというトラブルも発生してしまいます。

まずは、石材店に行きディスプレイされている石材を見て触って、自分のイメージに合う石材をはっきりと指定しましょう。

それぞれのお墓の特徴と墓石以外の装飾とは

和型、洋型などお墓の形に関わらず、墓石そのもの以外にも必要な装飾があります。

また、デザインを希望してオプションとしてお墓に石材で装飾することも可能で、メインの墓石は御影石にして、装飾品の部分を桜御影にするなど石材を複数の石材を使ってデザインすることもできます。

それぞれのお墓でどのような特徴があるのかご紹介します。

お墓の基本と墓石周りの装飾について

伝統的な和型のお墓

 
伝統的は和型のお墓は寺院墓地にも受け入れられやすく、墓地・霊園選びに困らないというメリットがあります。

伝統的な和型の墓石は背が高いのが特徴です。

上から『竿石』→『上台』→『中台』→『下台』→『外柵』+装飾品 で構成させています。

まずは一番肝心なのが『竿石』です。

竿石は、先祖代々の墓や○○家などを彫刻する一番上の石のことです。

その竿石の下にあるのが『上台』、その下に『中台』があり、一番下に『下台』があります。

上台と中台は家紋を彫ったり名前を彫ったりしますが役目としては飾りになります。

下台は水鉢や花立(花瓶)になっていることが多く、花立(花瓶)は左右にあり水鉢は墓石がくぼみになっているところで、そのくぼみにお水をお供えします。

下台は遺骨を納めるカロートの蓋として遺骨を保護する役目もあるので必ず必要ですが、中台は飾り部分になるので、中台がないお墓もあります。

そして、メインの墓石の前には『香炉』というお線香をお供えする場所があり、下台に備え付けで設置されている場合と下台の手前に別で置かれているお墓もあります。

『外柵(がいさく)』はお墓の土台の部分を指します。

お墓参りに行ったとき自分の家のお墓に入ると、隣のお墓と区別できるように家の敷地のようになっていますよね。それが外柵とよばれるものです。

遺骨を入れるカロートもこの外柵にあり、カロートはお墓にとって一番重要な役割を果たしますので外柵はお墓のメインになりますが、一般的には一番聞きなれない言葉だと思います。

この様に、伝統的な和型のお墓は外柵も含めるとたくさんの石材が必要になるため価格帯も洋型のお墓に比べて高くなる傾向があります。

しかし、外柵も装飾品も購入したお墓の敷地の広さによって、使用する石材量や装飾できるものも限られてくるので、一概にも伝統的な和型のお墓の価格は高いとは言えないところもあります。

需要が高まる洋型のお墓

洋型のお墓は一般的にオルガンタイプというお墓が多くみられます。

デザインも自由で費用も比較的安く抑えることができます。

一般的な洋型オルガンタイプのお墓は背が低いのが特徴です。

上から『竿石』→『中台』→『下台』+『拝台』+装飾品

洋型のお墓の大きな特徴は背が低く場所を大きく取らない、コンパクトなお墓であることです。

洋型のお墓は一般的に大人の腰ほどの高さになるので、和型の見上げるお墓の高さに対して、お墓の背が低い分お手入れも簡単です。

また、和型のお墓に必要な外柵は必要無く、外柵が省かれるだけでも使用する石材が大幅に削減されるので費用も和型のお墓に比べて割安になっています。

オルガンタイプのお墓でも、中台が入った二段オルガンタイプと中台を抜いた一段オルガンタイプがあるので、デザインによっては価格をもっと抑えることができます。

洋型のお墓は必ずしも『○○家之墓』や『先祖代々之墓』と彫刻する必要は無く好きな言葉や柄を入れることもできます。

また、一般的なオルガンデザインにこだわらずお墓自体を自由にデザインすることができます。

一例としてあるデザインは、竿石が球体型やハート型になっているお墓、竿石というものにとらわれずに下台の上に愛犬を模したモニュメント型趣味の将棋の碁盤、バイクの形をしたお墓など全てオーダーメイドでデザインできるのも洋型のお墓の魅力です。

洋型は価格が抑えられて、デザインが自由というメリットがありますが菩提寺など寺院墓地にお墓を購入する方は、洋型のお墓が受け入れられない場合がありますので注意しましょう。

神道のお墓について

お墓に行くと和型のデザインでも一番上が平たくなっているお墓と山のように尖っているお墓があります。

この山のように尖った和型のお墓は『ときん型』と言われ神道(神社)を信仰している方のお墓です。

神道ではお線香は必要ありませんので、代わりに『八足台』と言われるお供え物専用の台があります。

神道のお墓は、墓石の前位に鳥居を設置したり、成形された墓石ではなく自然の石に家名を彫刻するなどの特徴があります。

和型、洋型それぞれのお墓のメリットとデメリット

◇和型のメリット  どこの霊園にも受け入れられ、代々継いでいくには最適なお墓
◆和型のデメリット 石材使用量が多く価格が高め。石質を下げすぎると劣化の恐れあり

◇洋型のメリット  石材使用量が少なく費用が低め。デザインも自由にできる
◆洋型のデメリット 菩提寺では建墓できない可能性があり、霊園選択の範囲が狭い

費用を抑えようと石材の質を落としすぎると劣化や風化が早まる恐れがありますので、石材の費用はある程度はかかってしまうことを前提に検討することをお勧めします。

伝統的な和型のお墓も洋型のお墓も共通して言えることは、石材の良し悪しをしっかりと確認することです。

石材の使用量や材質などで費用が抑えられることはとてもメリットになりますが、価格が安い裏には必ず理由があり、安い石材は劣化、風化が激しく雨風に弱いものがあります。

日本が原産の石材は日本の風土に合っているので、劣化や風化に強い石材が多いですが外国産の石材はその土地に合ったものなので、必ず日本の気候に合うとは限りません。

また、外国産の石材の中にはまだ流通が少なく、硬度が立証されていない石材もあります。

国産と外国産で特徴がとても似ている石材もたくさんあるので、価格の安さと石材の色合いの好みだけでお墓の全てを決定する事はやめましょう。

やはり、石材にも適材適所があり竿石に向いているものと装飾品に向いているものなどがありますので、自分の意見を伝えつつプロの意見も取り入れるようにしましょう。

墓じまいを考えたお墓選びのポイント

墓じまいは『改葬』と言い、簡単に言うとお墓のお引越しのことを指します。

改葬をする理由の多くに上がるのが、後継者問題とお墓参りの問題です。

改葬をする際にどのようなトラブルが想定されるかポイントをおさえましょう。

後継者問題による改葬

後継者問題に関しては、お墓を閉じてしまうのだからお引越しではないのでは?と考える方もいらっしゃると思いますが、お墓を閉めた後でも遺骨は残るので必ず遺骨を別の方法で埋葬、供養する必要があります。

ですから、遺骨が最終目的地に到着するまで、遺骨の管理を放棄することはできませんので、必ず改葬の手続きをして遺骨を別の方法で納骨する必要があります。

改葬の納骨先は、必ずしもお墓でなくても良いのです。

最近では、お墓の後継ぎ問題や兄弟姉妹が少ない1人っ子が増えていることから子供が結婚した後に両家の墓として2家族一緒に埋葬するお墓も増えています。

樹木葬でも、海洋散骨でも手元供養でも、自分たちが納得できる形で必ず遺骨のお引越し先を決めて供養をしてくだい。

墓地・霊園の施設とお墓参りの距離問題

親族や子供たちも年を重ねていくと生活スタイルが変化していきます。
若いころは楽にできたお墓参りが高齢で出来なくなる、仕事などの都合で遠方に引っ越してしまうなど、様々なことが想定されます。

また、古くからある墓地・霊園ですと施設がバリアフリーになっておらず、お参りや法要をするのにとても苦労することがあります。

先祖や故人の為にも、お墓の維持のためにもお墓から足が遠のいてしまうことはお墓にとって一番のデメリットになります。

改葬にかかる費用と想定されるトラブルとは?

改葬にかかる費用ですが、これは元々持っているお墓の規模や場所にもより変わってきますが平均相場で500,000円~1,000,000円と言われています。

◇改装の費用の内訳
1.元々あるお墓の撤去作業費
2.遺骨の新しい納骨先
3.改葬許可証、埋葬証明書などの改装に必要な書類の費用
4.檀家であれば、離檀をするためのお布施 ※檀家でなければ不要

あくまでも改装にかかる平均相場は500,000円~1,000,000円とお伝えしましたが、改葬先のお墓の価格によっても大幅に改装費用は変わってきます。

新しくお墓を建墓するなら安くても500,000円以上かかり、海洋散骨や納骨堂ですと100,000円程、アクセサリーなどの手元供養ですと10,000円程で済みます。

さらに、元々のお墓の大きさで撤去作業費が変わりますし、石材店によっても費用は違います。

お墓は建墓してから何十年も経過しているので、建墓した石材店が既に廃業している可能性もあり、その場合は、別の石材店に依頼をするしかないのですが、自店が建墓していないお墓の改葬については別途追加料金が発生する場合があります。

別途料金は一般的にもあることですが、中にはぼったくりに近い追加料金を請求する石材店もありますので、ぼったくりに合わないように料金の下調べをしっかりしましょう。

檀家から離れて改葬をすることの難しさとは?

檀家で離檀する方はその離檀料だけでも500,000円かかるお寺もあります。

最悪のケースとしては、突然の離檀宣言でお寺が離檀することを認めないという事例もあり、離檀をさせないようにしようとお寺から高額な離檀料を請求されることもあります。

檀家で改装を考えているのであれば、時間をかけて住職に相談をすることをお勧めします。

突然の離檀宣言はトラブルの元になりますので、十分に注意しましょう。

改装によって想定される親族間トラブルとは?

何よりもトラブルになることが想定されるのは親族間のお墓や檀家に対する考え方の違いです。

改葬をする場合はまずはしっかりと下調べをして、親族に改葬をする事に対して理解と了承を得ることが重要です。

お墓を購入するということは、初めてお墓を購入する方もいれば、改葬から始めなければいけない方など事情は様々です。

また、初めてお墓を購入する方でも先祖のお墓の存在や、今現在誰が先祖のお墓を守っているのか?など現在お墓を守っている方の家族状況も視野に入れて考えなければなりません。

自分の家族だけのお墓を用意した後に、先祖代々の墓守がいなくなってしまい改葬することになる場合もあります。

初めて家族用で作ったお墓の場合、お墓の平米数によっては納骨できる数に限りがあるので、万が一先祖代々のお墓が改葬されても納骨ができないというトラブルに発展します。

親族が納骨堂や永代供養などお墓に納骨する以外の方法に、納得してくれれば問題ありませんが、供養はお墓でするものという認識が根強いことも事実です。

高齢の方の中には洋型のお墓は、お墓じゃないと洋型に否定的な方もおり『たったそれだけのことで?』と思うような事でも、トラブルの元になるのです。

家族のお墓だからと周囲の状況を無視してしまうと、後々のトラブルに発展する可能性があるので、親戚間でお墓の後継者・お墓参り問題、改葬の必要性の確認を必ず事前にすることをお勧めします。